新しいモバイルバッテリーを買う際、チェックしておきたいのが「急速充電」ができるかどうか。デバイスの充電能力を最大限に生かしてスピーディーに充電できるため、充電し忘れや急いで外出したいときにとても助かる機能です。
いろんなメーカーが独自の規格を提供していますが、そのなかでも最近注目を浴びているのが「USB Power Delivery(USB PD)」。ノートPCなど容量の大きいデバイスにも対応しており、本気を出せばテレビやプリンターにも給電できるため最強だといわれています。
ただし、PDの実力を発揮するには、USB Type-Cの端子が必要などいくつかの条件を満たさなければいけません。
そこで、
「USB Power Delivery(PD)とは?」
「ほかに急速充電できるものはないの?」
「どんなPD対応のモバイルバッテリーがあるの?」
と気になるあなたへ、PDで急速充電するための条件と、他規格の種類をご紹介!購入してから「急速充電できない!」と後悔しないために、しっかりポイントをおさえておきましょう!
目次
最強!Power Delivery(PD)のすごいところ
PDのメリットは、主に以下の2点。
- 充電スピードが速い
- 多くのデバイスに対応
詳しく見ていきましょう。
充電スピードが速い「最大100W(20V / 5A)」
PDには4段階(5V/9V/15V/20V)の電圧があり、最大5Aの電流と合わせると最大100Wの電力が供給できます。
普通(速くない)の電力は、「USB BC(Battery Charging Specificaion)」や「USB Type-C Current」の最大7.5W(5V / 1.5A)。一方、その約13倍までW数を上げたのが「USB PD」です。
ただ、スマホやタブレットの出力は最大18W程度まで。ノートPCやMacBookも100Wには届かず、100Wによる超スピードな充電にはデバイス側が対応し切れていないのが現状です。
つまり、PDを利用すれば端末が対応する最大の充電速度が得られるということですね。
多くのデバイスに対応「世界共通の充電規格」
従来のUSBは最大2.5W(5V / 0.5A)だったため、ノートPCなどの容量が大きいデバイスには充電できませんでした。
そこで、より多くの電力(W)を供給するために登場したのが「USB PD」。USB-IF(USBインプリメンターズ・フォーラム)が定めた国際標準規格です。
USB PDは、USB Type-C端子をもつデバイスに対応しています。Type-C端子は、近年世界共通の端子といわれているほど急増中!下記のように、たくさんの種類がPDに対応し急速充電ができます。(※規格外の仕様あり)
USB Type-C端子のデバイス例
・タブレット、iPad
・ノートPC、MacBook
・ゲーム機(Nintendo Switch)
USB PDで急速充電するための条件
冒頭でもお伝えしたとおり、PDで急速充電をするためにはモバイルバッテリーだけがPD対応では不可能。充電関連の「端末」「充電ケーブル」「ACアダプター」も、PDに対応している必要があります。
「今使っているスマホやケーブルはPD対応か?」
「今から買いそろえるスマホやケーブルはPD対応か?」
これらを確認しておきましょう!
PD対応のUSB Type-C端子をもつ端末機種
USB Type-C端子=PD対応ではありません。Type-Cは端子の形状というだけで、PD規格は別案件。PDで急速充電をするには、大きな出力を受け付けられる能力が必要です。
とはいえ、端末のスペックは最新になるほど優れているため、最近発売された機種の多くはPDに対応!たとえば、以下のようなものがあります。
- Android:Pixel、Xperia、Galaxy
- iPhone:iPhone 8以降
- iPad:iPad mini(第5世代)、Air(第3世代)、Pro 12.9インチ(2015以降)
- ノートPC:MacBook /Pro、VAIO、dynabook、Lavie、Surface
- ゲーム機:Nintendo switch
PD対応の充電ケーブル(USB Type-C)
モバイルバッテリーと端末をつなぐケーブルは、どちらもUSB-C端子のものを。Appleの端末には、Linghtning端子も必要です。
出力は3A・5Aの2種類。
- 3A=最大60W(20V×3A)
- 5A=最大100W(20V×5A)
ノートPCを充電をするなら、「5A」を選んでおきたいところです。
▼USB-C×USB-CケーブルのPD対応製品(例)
▼おすすめ!PD対応のUSB-C Lightningケーブル
本体チャージ用には!PD対応ACアダプタ
PDは、給電・送電両方に対応しています。そのため、本体のチャージ時も充電器がPDなら急速充電可能!モバイルバッテリーがACプラグ内蔵タイプだと外出に便利です。
▼USB2ポート+PD3.0に対応したポートを搭載。
急速充電はほかにも手段あり
「PD以外に急速充電できるものはないの?」
スマホの端子がType-Cじゃなかったり、充電ケーブルや充電器がPD対応じゃなかったり・・・。そんなときはPD以外の急速充電方法を探してみましょう。
Qualcomm「Quick Charge(QC)」
Qualcomm社が開発した充電規格。バージョンは「1.0、2.0、3.0、4.0、4+」があり、最新は2018年8月発売の「4+」です。
1.0の最大出力は10W(5V / 2A)ですが、2.0以降は18Wで高速に充電可能。また、4.0はPDにも対応し、作動すれば最大27Wの急速充電ができます。公式HPによると、5時間分の通話が5分で充電できるのだとか。
HUAWEI「Super Charge」
HUAWEIが独自開発した充電技術。最大40W(10V / 4A)での高速充電ができ、みるみるうちにスマホの電池がたまっていきます。
ただし、利用できるのはHUAWEI製のスマホ・充電器のみ。純正のみ対応しており、サードパーティ製品はありません。HUAWEI Mate9・HUAWEI P20はPDにも対応。
ASUS「BoostMaster」
ASUS(エイエース)の独自規格。最大18W(9V / 2A)での高速充電が可能です。ZenFone 5はPDにも対応。
Anker「PowerIQ / Voltage Boost」
充電製品ブランドで有名なAnkerも、独自技術の高速充電規格「Power IQ」があります。2つのバージョン(1.0・2.0)があり、最新は最大出力18Wの2.0。Galaxy S8が約1時間半でフル充電できるスピードです。
また、2.0は接続機器自動検知機能を搭載。接続したデバイスに最適なスピードを調整し、急速に充電します。
そして、充電ケーブルの抵抗を和らげる技術「Voltage Boost」により、さらにスムーズに電力を供給。充電速度が遅くなる原因のケーブルの抵抗をなくし、損傷も防ぎます。
おすすめ!PD対応モバイルバッテリー
ここからは、ガジェリッチおすすめPD対応のモバイルバッテリーをご紹介!用途に合う製品を選べば、充電スピードも各種機能も大満足です。
ポンと置くだけ「Qiワイヤレス充電」
給電エリアに置くだけで充電できるワイヤレス充電タイプ。Qi規格を搭載、もしくは充電レシーバー(後付け)を取り付けたスマホに使えます。ケーブル接続の手間がなく、絡まり・断線も心配不要。
Qiワイヤレス急速充電 モバイルバッテリー MB-Qi12000
利用シーンに合わせて、ワイヤレス充電と有線充電(PD / QC3.0)が選べる優れもの。PD対応のケーブルを使えば、最大18Wの出力で急速充電できます。
また、ワイヤレス充電時のスピードも急速充電に対応。通常のQi規格は充電速度の遅さがデメリットですが、こちらは4種るのQi標準出力をサポート。デバイスに最適な速度で給電します。充電距離8〜12mmの高感度さも魅力。
本体はアルミ素材で軽く、バッテリー残量が1%単位で見られる表示つき。カラーは飽きのこない3色(メタルシルバー・メタルブラック・メタルレッド)から選べます。
スペック | |
急速充電 | PD、QC3.0 |
PD最大出力 | 18W(5V /3A、9V / 2A、12V / 1.5A) |
バッテリー容量 | 12000mAh |
▼商品の購入はこちら
コンセントで直接チャージ「ACプラグ内蔵」
出張・旅行先でモバイルバッテリー本体を充電したいときに便利。コンセントなどの電源に接続しながら、スマホとモバイルバッテリーが充電できます。朝起きたらどちらも充電満タンに!
Super Mobile Chager|ACプラグ内蔵型モバイルバッテリー
ACアダプター・モバイルバッテリー(8000mAh)・Qiワイヤレス充電器の3とおりの使い方ができる優れもの。急速充電規格のPD3.0、QC4.0、FCP(Huawei FastChager Protocol)、PPSに対応しており、PD動作時は最大30分で50%充電できます。
USB-C(最大出力18W)・USB-A(最大出力12W)を搭載し、2台同時に充電可能。ワイヤレス充電も最大10Wで高速です。
本体は、残量が1%単位でわかる便利な表示機能付き。縦80mm×横82mm×厚さ29mmでコンパクト、ブラックが基調のかっこいいデザインです。
充電スペック | |
急速充電 | PD3.0、QC4.0、FCP、PPS |
PD最大出力 | 18W(5V /2.4A) |
バッテリー容量 | 8000mAh |
▼商品の購入はこちら
アウトドア・災害に役立つ「ソーラーパネル搭載」
太陽光から蓄電できるタイプ。チャージ用の電源がなく、モバイルバッテリーが充電できないときに役立ちます。
BLAVOR【2019最新進化版 5in1】20000mAh モバイルバッテリー
モバイルバッテリー・Qiワイヤレス充電器・ソーラーチャージャー・懐中電灯・コンパスの1台5役をこなす製品。超大容量でIPX4防水機能&耐衝撃性もあり、アウトドア・旅行・災害時・避難場所などあらゆるシーンに役立ちます。
最大出力18Wで、PD・QC3.0に対応。ワイヤレス充電も10Wの高速。2つのUSBポートで2台同時に充電できます。
充電スペック | |
急速充電 | PD、QC3.0 |
PD最大出力 | 18W(5V /3A、9V / 2A、12V / 1.5A) |
バッテリー容量 | 20000mAh |
MacBook Proをフル充電「超大容量20000mAh以上」
MacBook ProやノートPCをフル充電するなら、バッテリー容量が20000mAhあると安心。一般的なスマホは4回ほど、13インチ前後の中型ノートPCで1.5回ほどフル充電できます(約9時間駆動)。
RAVPOWER モバイルバッテリー 20100mAh / 45W / PD
最大出力45WのUSB-C PD3.0ポートを搭載。2台同時に充電するときも、最大30Wで急速充電します。
USB-AポートにはRAVPOWERの独自技術「iSmart2.0」を搭載。接続されたデバイスを自動検知し、最適な電力を流します。
入力ポートもPD・QC対応。Micro USBは最大30Wで、QC対応の充電器を使って5.5時間でフル充電できます。
充電スペック | |
急速充電 | PD、QC |
PD最大出力 | 45W(5V /3A、9V / 3A、12V / 3A、20V / 2.25A) |
バッテリー容量 | 20100mAh |
急速充電を実感してみよう!
モバイルバッテリーでPDを利用するなら、
- USB Type-C(PD対応)の端末機種
- PD対応の充電ケーブル
- PD対応の充電器
これらもそろえるのが条件です。
最大出力100WのPower Delivery(PD)。充電がみるみるうちにたまるのを実感すると、快適&気持ちよさが味わえます。
実は、非表示だけどPDに対応している製品もあります。これは、実際には急速充電できるけどメーカーが検証しておらず使用は「自己責任」となるもの。
確実に利用するなら、「PD対応」と表示されている製品を選ぶのが良いでしょう。